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清水修氏による「遺伝への懸念」がもたらす悲劇(福島民報)

【寄稿】 「遺伝への懸念」がもたらす悲劇(福島民報)
■福島大教授 県民健康管理調査検討委員 清水修
http://megalodon.jp/2013-0817-1906-10/www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2013/08/post_7886.html

まず、よくある勘違いから。

1、「胎内被曝」と「遺伝する」の勘違い

赤ちゃんがお母さんの胎内にいるときに強い放射線に被曝すると、子どもに障がいが出ることがあります。
これは障がいが「遺伝した」のではなく、赤ちゃんの細胞の遺伝子が放射線によって傷つけられた結果によるものです。
一方、放射線障害が「遺伝する」というのは、親が放射線に被曝し、その後に命を宿した子どもにも何らかの障がいが発生するということです。
しかし実際に現在の福島で障害が遺伝することは無いと言っていいと思います。。
なぜそう言えるかというと、広島・長崎での非常に長期にわたる被爆者調査から、いわゆる被爆二世(被爆者の子どもたち)には遺伝的な影響が確認されていないからです。
福島よりもはるかに外部・内部被曝ともに多かったはずの原爆被爆者たちが、健康な子供たちを生んで育てていったことは忘れないでください。
また、一部の研究者が、広島・長崎の被爆二世たちや、チェルノブイリ事故後に生まれた子供たちに障がいや病気が多いという調査結果を報告していますが、科学者たちの厳しい検証の結果、そういう報告は信憑性が低いことがわかっています。

2、「体の細胞の遺伝子の傷」と「卵子・精子の遺伝子の傷」の勘違い

放射線に被曝すると、遺伝子が傷つきます。
しかし、この「遺伝子」というのが必ず子供に遺伝するわけではありません。
ここが間違いやすいのですが、親の皮膚や筋肉や骨や神経にある遺伝子は、子どもには伝わりません。
親から子どもに伝わる遺伝子は、卵子や精子のなかの遺伝子だけです。
もちろん放射線によって、卵子や精子の遺伝子も傷がつきます。
しかし非常に強い放射線でなければ、その傷は小さく、修復機能により修復されます。
また、傷が大きすぎる場合には、受精後に受精卵の成長が止まり、子どもが生まれてくることはありません。
そして何より、放射線の被曝があろうとなかろうと、私たち全ての人間の遺伝子には病気のもとになる遺伝子がたくさん含まれています。しかし多くの人はそれらの病気を発症することはありません。
したがって、そもそも放射線の少ない現在の福島で、卵子や精子の病気になる部分がたまたま傷つき、修復されることもなく、受精卵の成長も止まらず、しかも子どもに病気や障がいが実際に現れる、という確率がいかに低いか想像できるかと思います。

3、「障がいを持って生まれてくる子ども」と「放射線の影響」の勘違い

いま、福島では障がいや病気を持って生まれてくる子どもがいます。
しかし放射線の影響があってもなくても、一定の確率で障がいや病気を持った子どもたちは生まれてきます。
もし、その割合が、他の地域と比べて明らかに高ければ、それは放射線のせいということができるでしょう。
ですが、障がいや病気を持って生まれてくる子どもたちが、他の地域と比べて特別多いということは確認されていません。
待ちに待ったわが子が生まれたとき、もし障がいや病気をもっていたら、そこに何かの理由を求めるのが自然な感情です。
なぜ?何が悪かったの?自分を責める親御さんも多いと聞きます。
もしそれが福島の人であったなら、放射線にその理由を求める人が多いのも無理はありません。


福島の原発事故により本当に大きな傷を受けたのは、遺伝子というより、被災した方々の心だと思います。
彼らや周囲の人々が「放射能被曝した人は健康な子供を産めない」と思い込んでいるうちは、広島・長崎の被爆者たちが言われない差別を受け続けている悲しい過去を繰り返すでしょう。

そして、このような悲劇的な状況をもたらした原子力発電という方法に頼り続けることの愚かしさを感じます。
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原発懐疑派

Author:原発懐疑派
科学的・論理的に原発の廃止を目指しています。
事情があって一時ブログを閉鎖しましたが、再開します。

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